派遣ってどうなの?

派遣先が決まっていない間の給与はどうなる?休業手当のしくみ

無期雇用派遣で、次の派遣先が決まるまでの間の給与はどうなるのか。労働基準法の休業手当と、派遣会社に求められていることを、厚生労働省の資料で整理しました。

ソファで本を読みながら次の予定を待つ人と、貯金箱とカレンダーの絵

無期雇用派遣は、派遣会社に期間を決めずに雇われる働き方です。心配になりやすいのは、いま働いている派遣先での仕事が終わったあと、次の派遣先が決まるまでの間の給与ではないでしょうか。

このページでは、法律が決めている最低限のラインと、派遣会社に求められていること、そして会社ごとの違いを確かめる方法を整理します。事実として書くのは、厚生労働省の資料で確かめたことだけです。特定の会社の就業規則は読んでいないので、各社の扱いはここでは書きません。

派遣先の仕事が終わったあと

派遣先の仕事が終わったあとの流れと、休業手当の図 派遣先の仕事が終わっても派遣会社との雇用は続き、派遣会社は次の仕事を探す。会社の都合で休むときは平均賃金の6割以上の休業手当。6割より多いかは会社の規定しだい。 派遣先で働く 派遣先の仕事が終わる 派遣会社との雇用は続く 派遣会社は次の仕事を探す 会社の都合で休むときは 休業手当:平均賃金の6割以上 6割より多いかは、会社の規定しだい
労働基準法第26条と厚生労働省の資料をもとに、本文の内容を図にしました。休業手当の額は会社の規定で確かめてください。

派遣先の仕事が終わっても、雇用は続く

無期雇用派遣の人は、派遣先ではなく派遣会社と、期間の定めのない労働契約を結んでいます。「無期雇用派遣労働者」という言葉は、厚生労働省の手続マニュアルでも、期間を定めないで雇われる派遣労働者のこととして説明されています。

派遣会社が国の許可を受けるときの基準には、無期雇用の派遣労働者を、派遣契約が終わったことだけを理由に解雇できるという規定が就業規則などにないこと、が入っています(厚生労働省「平成27年労働者派遣法改正法の概要」)。厚生労働省のQ&Aも、派遣の終了だけを理由に解雇や退職をさせると、法律や指針に反すると評価される可能性があるとしています。

なお、派遣先との契約が途中で打ち切られた場合でも、派遣会社と本人の契約は、期間が残っていれば満了まで続くと、労働局のあっせん事例は整理しています。派遣先との契約と、派遣会社との雇用契約は、別のものです。

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会社の都合で休むときは休業手当

派遣先が決まっていない間、本人に働く用意があるのに仕事がない状態になります。このときに関わるのが、労働基準法第26条の休業手当です。

条文は、使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合、休業の期間中、平均賃金の100分の60以上の手当を払わなければならない、と定めています。厚生労働省のQ&Aでは、「使用者の責めに帰すべき事由」は、地震などの不可抗力を除いて広く考えられ、たとえば注文が少ないという理由も当てはまるとされています。

平均賃金は、原則として、事由発生日以前の3か月間に払われた賃金の総額を、その期間の総日数で割って求めます。たとえば1日あたりの平均賃金が1万円なら、休業手当は1日につき6,000円以上、という考え方になります(計算の例は運営会社が作ったものです)。

派遣会社に求められていること

厚生労働省の指針は、派遣契約が本人の責任ではない理由で途中で解除されたとき、派遣会社に次のように求めています(労働局あっせん事例に引用された部分)。

  1. 派遣先と連携して、新しい仕事の機会を確保する
  2. 確保できないときは、まず休業などで雇用を維持する
  3. そのうえで、休業手当の支払いなど、労働基準法に基づく責任を果たす

許可の基準にも関係する決まりがあります。無期雇用の派遣労働者(有期の人は、労働契約の期間内に派遣契約が終わった場合)を、次の派遣先が見つからないなど、会社の責任で休ませたときは、労働基準法第26条の手当を払うと就業規則などに定めていること、という項目です(厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領」第3の1(8)、「平成27年労働者派遣法改正法の概要」)。つまり、待機の間の手当は、派遣会社が就業規則で決めておく前提になっています。

6割は下限。上乗せは会社の規定しだい

ここまでが、法律が決めているラインです。書かれているのは「6割以上」で、それを超える額を就業規則などで決めることは、できるとされています(確かめよう労働条件のQ&A)。

つまり、待機中にいつもの給与と同じ額が出るのか、6割にとどまるのかは、会社によって違う可能性があります。一般向けの解説に目安の割合が出ていることもありますが、会社ごとの規定ではないので、この記事では数字を載せません。

働く前に確かめたいこと

求人票や面談で、次の点を聞いてみてください(運営会社の見方です)。

確かめること見るところ
派遣先が決まっていない間の給与の計算労働条件通知書・就業規則の休業や待機の項目
その間の過ごし方研修や出社の指示があるか、自宅で待つのか
次の仕事の探し方希望や通える範囲がどう考えられるか
社会保険の扱い待機の間も加入が続くか

答えが書面に見当たらないときは、書面にしてもらえるかを聞くのが安心です。派遣会社は、雇い入れるときに、昇給・退職手当・賞与の有無や、苦情の処理に関する事項などを書面などで示す決まりがあります(厚生労働省「平成30年労働者派遣法改正の概要<同一労働同一賃金>」)。待機中の給与は、この一覧には入っていないので、自分から聞くことになります。

次にやること

  1. 気になる会社が決まったら、待機中の給与の扱いが書かれた書面を見せてもらえるか聞く
  2. 次に読む記事:派遣の給与はどう決まる? 同一労働同一賃金の2つの方式
  3. 迷ったら、このページの下の LINE から相談する

仕組みの全体像は、無期雇用派遣とは? 登録型派遣とのちがいでも整理しています。

事実確認

確かめた日は2026年10月22日です。出典のページを開いて、次を確かめました。

  • 休業手当の条文(平均賃金の100分の60以上)、派遣先との契約が打ち切られても雇用契約は期間満了まで続くこと、派遣元が講ずべき措置の指針の内容(新しい就業機会の確保、まず休業で雇用を維持、休業手当の支払い):厚生労働省(労働局あっせん事例)のPDF 4ページ
  • 許可の基準(派遣契約の終了のみを理由に解雇できる規定がないこと、休業させたときに労働基準法第26条の手当を払う旨の規定があること):厚生労働省「平成27年労働者派遣法改正法の概要」2ページ
  • 「使用者の責めに帰すべき事由」の範囲、平均賃金の求め方、6割を超える定めができること:確かめよう労働条件のQ&Aと、厚生労働省のQ&Aのページ
  • 派遣の終了だけを理由にした解雇や退職が、法律や指針に反すると評価される可能性があること:厚生労働省「(派遣で働く皆様へ)…Q&A」のQ5
  • 無期雇用派遣労働者の意味:厚生労働省の手続マニュアル2ページ
  • 雇い入れ時に示す事項(昇給・退職手当・賞与の有無、苦情の処理など):厚生労働省「平成30年労働者派遣法改正の概要<同一労働同一賃金>」13ページ

出典に書かれていない運営会社のまとめは、「運営会社の見方です」と書いた部分、1日1万円の計算の例、「待機中の給与は明示事項の一覧に入っていない」という読み方、確かめる点の表です。

2026年10月22日に、厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領」(令和8年10月1日適用版)の第3の1(8)(61〜62ページ)で、許可の基準(無期雇用派遣労働者を派遣契約の終了のみを理由に解雇できる旨の規定がないこと、無期雇用派遣労働者などを使用者の責に帰すべき事由で休業させたときに労働基準法第26条の手当を支払う旨の規定があること)が、本文の書いていること(2015年の資料の内容)と同じであることを確かめました。派遣契約が解除されたときに、新しい就業の機会を確保し、確保できなければまず休業で雇用を維持して休業手当などの責任を果たす、という派遣会社の決まりも、同じ要領の第5の6(3)ハ(155〜156ページ)と、「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」の第2の2(3)で同じであることを確かめました。直した点が1つあります。休業手当の項目は、要領では無期雇用の人と、期間のある契約の途中で派遣契約が終わった有期の人の両方が対象なので、本文にその区別を足しました。

出典

  1. 厚生労働省(労働局あっせん事例)「[11] 派遣契約の中途解約に伴う休業手当の支払い」
  2. 厚生労働省「平成27年労働者派遣法改正法の概要」
  3. 厚生労働省 確かめよう労働条件「会社都合で休みをとらされましたが、給料なしは労基法上ありですか?」
  4. 厚生労働省「会社の都合で仕事を休まされている。休んでいる分の補償はないのか。」
  5. 厚生労働省「(派遣で働く皆様へ)平成27年9月30日施行の改正労働者派遣法に関するQ&A」
  6. 厚生労働省「労働者派遣事業を適正に実施するために-許可・更新等手続マニュアル-」(平成30年4月)
  7. 厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領」第3 手続(許可基準)(令和8年10月1日適用版)
  8. 厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領」第5 労働者派遣契約(令和8年10月1日適用版)
  9. 厚生労働省「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」(平成11年労働省告示第137号)

出典の確認と最終の見直しは運営会社が行っています。